長女が、高校留学する事になりました。
突然の進路変更に驚くも、なぜか、我が子の決断が嬉しかった気持ちが先に立ち。
「良いじゃない!頑張りなさいよ」だなんて、気安く応援してしまったものの、いざ、高校留学への蓋を開けてみたら…
予想を遥かに超えた、その高額な留学費用に、絶望的に、打ちのめされてしまいました。
かといって、ノリノリで背中を押してしまった手前、もう引き下がることは出来ません。
留学費用は、何としてでも、捻出することに決めました。
それで、利用したのが「国の教育ローン」です。
当記事は、「国の教育ローン」の概要から、我が家が、実際に申込をして、融資を受けるまでの流れや、融資内容をご紹介します。
留学をする予定が無くても「国の教育ローン」は、短大、大学、大学院、高校、高専、専修学校などへの進学の際も、ご利用出来ますので、宜しかったら、読んでくださいね。
Contents
国の教育ローンの概要
「国の教育ローン」は、日本政策金融公庫が扱う教育ローンで、最低水準の金利で借りられる融資です。
進学に関する経済負担と、教育の機会均等を目的としています。
教育費に関する公的融資制度として、35年以上の歴史を刻み、多くの取扱い実績を誇っているので、安心して借入申込が出来ますよね。
それでは、具体的に融資制度の概要をみていきましょう。
融資制度の概要
対象となる学校 | 国内外の高校、大学、大学院、各種専門学校 |
使い道 | ◦学校納付金(入学金、授業料など) ◦受験等にかかった費用(受験料、交通費、宿泊費など) ◦教科書代、パソコン購入費 ◦通学費用 ◦在学のための住居費用(敷礼金、家賃など) ◦留学費用 ◦学生の国民年金保険料、その他 |
融資限度額 | ◦学生1人につき350万円以内 ※海外留学(大学以上)の場合は450万円 |
金利(2018年1月現在) | 年1.76% ※母子父子家庭などの場合は、年1.36% |
保証 | 公益財団法人教育資金融資保証基金 |
返済期間 | 15年以内 ※母子父子家庭などの場合は18年以内 |
返済方法 | 元利均等返済 |
申込受付時期 | 年中いつでも可能 ※合格発表前も可能 |
ご利用いただける方
融資の対象になる学校に入学、在学されている方の保護者で、世帯年収(所得)が下表の金額以内の方
お子様の人数 | 給与所得の方(世帯年収) | 事業所得の方(世帯所得) | |
---|---|---|---|
1人 | 790万円以内 | 590万円以内 | ※一定の要件を満たせば世帯年収990万円(世帯所得770万円)以内の方も対象 |
2人 | 890万円以内 | 680万円以内 | ※一定の要件を満たせば世帯年収990万円(世帯所得770万円)以内の方も対象 |
3人 | 990万円以内 | 770万円以内 | |
4人 | 1090万円以内 | 870万円以内 | |
5人 | 1190万円以内 | 970万円以内 |
※緩和要件とは、下記の1~8までのいずれか1つに該当すれば、世帯年収(所得)の上限額が990万円(770万円)まで借入申込対象者となります。
1.勤続(営業)年数が3年未満
2.居住年数が1年未満
3.世帯のいずれかの方が自宅外通学(予定)者
4.借入申込人または、その配偶者が単身赴任者
5.今回のご融資が海外留学資金
6.借入申込人の年収(所得)に占める借入金負担返済率が30%超える
7.ご親族などに「要介護(要支援)認定」を受けている方がおり、その介護に関する費用を負担している
8.大規模な災害により被災された方
留学ローンの申し込みの場合は、世帯年収(所得)990万円(770万円)まで、対象者となりますね。
ご利用手続きの流れ
日本政策金公庫が掲示している、ご利用手続きの流れは、以下の通りとなります。
インターネットもしくは電話にて「国の教育ローン」に申込
↓
借入申込書への記入、必要書類の準備
↓
希望の取扱い支店及び、最寄りの支店へ書類返送
↓
審査
↓
ご融資決定
↓
ご融資実行
合格前の借入申込の際は、合格発表後の融資実行となることもあるようです。
ですが、資金用途によって実行日は変わっていますので、ご利用の際は、日本政策金融公庫さんに事前に御確認下さいね。
実際に国の教育ローンを利用してみました
さて、実際に「国の教育ローン」を利用して、留学費用融資を受けた我が家の場合をレポートしたいと思います。
なんせ、唐突に、娘の高校留学を決めた我が家でしたので、通っていた高校へのご挨拶から、留学手続きと留学準備に追われ、とにかく当時は、目まぐるしく忙しい日々でした。
だいたいの時系列は、こんな感じです。
夏休み明けに、留学を決意
↓
高校へ相談
↓
留学エージェント探し
↓
(株)留学ジャーナルに決定してプログラムの申込
↓
留学手続きのための書類集めと書類作成
↓
日本政策金融公庫へ問合せ
↓
日本政策金融公庫からの申込書類一式受取
↓
日本政策金融公庫へ書類返送
↓
融資実行日
↓
(株)留学ジャーナルへ払込み、エアチケットなどの購入
↓
留学前オリエンテーションなどに参加
↓
渡航
それでは、マーカーしてある日本政策金融公庫との取引について、順を追って補足していきますね。
先ずは、電話にて問合せ
我が家は自営業のため、借入に対する抵抗が、もともと浅く、事業は、如何に良い条件で、融資を受けられるかも成果の要因であると考えているため、日々、借入と密接した生活を送っています。
なだけに、娘が留学すると決断した際、お金は無いから、借入に頼らざるを得ないと、即座に考えてしまいました。
日本政策金融公庫さんとも、事業資金で御取引した履歴もあることから、元々、馴染みはあった為、躊躇することなく、問い合わせしましたが、そりゃあ、借金は、あるより、無いに、越したことはないです。
ですが、借金をするということは、経済を動かすことの一役を担っている事になるので、何もネガティブな事ではありません。
もちろん、お利息は、もったいないとも思う反面、やはり、金融機関に活気のある日本が存続して欲しい、と願っているので、当然のお手数料と思っています。
借入申込自体はネットから出来ますが、何点か確認したいこともあり、ホームページに記載してある通りの「教育ローンコールセンター」へ、電話しました。
電話で伺ったことは、下記の通りです。
- 高校留学も教育ローンの対象になるのか ?
- 留学費用の融資額は、450万円とホームページに記載してあるが間違えないか ?
- 申込者は保護者となっているが、保護者それぞれが申込出来るのか ?
お電話口の女性の対応は、えっと、普通です。所謂、お役所さんといった感じですね。
管轄のエリアの担当の直通電話番号を教えて頂き、そして、直ぐに、担当者へ電話して、上記の質問への返答を下記のように頂きました。
- ローンの対象です。
- 高校留学の場合の融資額は350万円までとなります。
- 子供1人に対して、保護者が、それぞれ申込可能である。
という事です。
450万円の融資を受けられないのは残念でしたが、夫婦それぞれ借入申込ができ、合算すると700万円まで借入可能という事が解りました。
今回は、ひとまず、350万円の融資を御願いしたく、必要書類一式を送って頂く手配をして、電話での問い合わせは終了です。
必要書類について
日本政策金融公庫さんに、電話で問い合わせをして申込書類の郵送を御願いしたら、次の日に書類が届きました。
届いた書類は
◦国の教育ローン借入申込書
◦国の教育ローン借入申込書記入例
◦定形外封筒による送付方法の案内(料金受取人払郵便)
以上でした。
それに対して、申込書返信時に添付する必要書類は下記の通りです。
◦国の教育ローン借入申込書
◦住民票(世帯全員の続柄を含むもの)
◦申込者の運転免許証もしくはパスポート
◦世帯全員の源泉徴収票(コピー)または確定申告書(コピー)
◦住宅ローンもしくは家賃の支払いを確認できる通帳のコピー(直近6カ月分)
◦公共料金、電話料金のいずれかの支払いを確認できる通帳のコピー(直近6カ月分)
◦留学資金御見積書類
◦入学許可証(オファーレター)のコピー
以上、8点の書類返送が必要でした。
融資の実行日
書類返送後、2週間経たないうちに、電話にて、簡単な申込者の本人確認があり、その際に融資の審査が通った事を告げられました。
そして、追加書類の提出も言われることも無く、借入申込後1カ月弱で融資が実行されました。
足を運ぶことなく、書類と電話のやり取りだけで融資が実行され、大変、スムーズな取引が出来、とても有難かったです。
我が家の留学ローンの明細
電話にて問合せをし、借入の申込を伝えたところ、次の日に申込書類が届き、必要書類を揃え返送したところ、2週間以内に融資確定を受けました。
実際の融資実行日は、借入申込後、1カ月弱のことです。
我が家は、高校留学の融資枠満額の350万円を10年返済で申込しました。利息は年利1.81%。
融資保証料として、162,445円、送金手数料の216円は、融資額から差し引かれ、実際口座には、3,337,339円が振込まれました。
我が家の明細書
借入額350万円 借入期間10年 利息年利1.81%
保証料162,445円 送金手数料216円 返済月額32,152円(平均額)支払い総利息額329,600円
ファイナンシャルプランナーさんや、貯蓄のプロの方に言わせると、利息ほど、もったいない支出は無いと言われていますよね。(中には、目一杯、低い金利で、なるべく多額に、長い期間の借入をアドバイスして下さるファイナンシャルプランナーさんもいらっしゃいます。)
確かに、実態の無いモノに、329,600円も支払うのは、俗に言う、ドブに捨てるようなものですが、果たしてそうでしょうか ?
生きていると、無駄な支出は避けて通れないものです。
行かないジムの月額費や、結局食べきれないダイエットサプリに、通えなかったお稽古の入学金、返しそびれたDVDの延滞金などなど。(全部、思い当たります^^;)
賞味期限切れの飲食物や、無駄な光熱費に、余分に使用してしまうペーパー類や、交通費などなど、ちょっと、もったいないは、日々の中でも生じていると思うのですよね。
特に、子育てしていると、結果的に、何にも結び付かなかった習い事の御月謝やら、受験時には、併願校への支払いがあったり、どんどん成長してしまって着れなくなってしまった衣類などなど。
ほんとうに、もったいなかったなと、思う支出は山のようにあります。
ですが、それは、現代社会で生きていくうえで、インクルードされている支出だと、私は考えています。
329,600円の利息は、確かにもったいないです。
もう1度言いますが、借入はあるより、無い方が良いのは決まっています。
ですが、今回の融資に要する利息は、10年間で329,600円、平均すると年間32960円、月額3296円の支出です。
それ位のもったいないは、4人家族で生活するうえで、必ずある、無駄な支出額だと思います。
ですので、利息を払う分は、別のところで、節約をし、ポイントなどを利用して収益を得ることに、気持ちをシフトした方が、容易いと私は、捉えました。
日本政策金融公庫のおススメ点
事業資金の借入のため、保証協会、信用金庫、日本政策金融公庫と何かと借入経験のあるMIOですが、日本政策金融公庫さんの良いところをご紹介したいと思います。
<個人的に良いと感じる点>
◦付き合いが、あっさりしている
→借入時の担当者さんから、取引後に連絡いただくようなことは一切ないです。融資実行後に明細書が送られてくるだけです。
信用金庫さんや保証協会さんと借入契約を交わす時は、幾重もの書類に署名捺印が必要ですが、申込書類の捺印だけで取引出来ます。◦融資後の提出書類が必要ない
→これが、実は、とっても有難いのです。融資によっては、御見積書提出通りの領収書や支払い明細書を後日、提出という事があります。
ですが、日本政策金融公庫さんの場合、融資後の支払先は、借入者に一任して頂けますので、見積もり提出後の変更に対応できるので、とてもスマートなお取引が出来るのです。◦無担保、無保証人で借入可能
→事業資金の場合は、時には担保と保証人が必要だったりすることもあるようですが、「教育ローン」に関しては、無担保無保証人で、借入申込ができます。
以上、この3点が、日本政策金融公庫さんの利用しやすいところだと実感しています。
逆に、ちょっと、ここは改善して欲しいという点は、下記の通り。
<個人的に改善して欲しい点>
◦書類の記入欄が多い
→信用金庫さんや、保証協会さんの場合は、面談時に、いろいろ尋ねられるものの、書類は担当者さんが作成して下さったりします。
ですが、日本政策金融公庫の場合は、自分で全部細かく記入しなければならない箇所が、やや多いように感じます。◦審査に時間を要する
→これは、仕方ないことなのですが、やや審査に時間がかかるなぁ~という印象が毎度あります。◦レスポンスが悪い
→信用金庫さんなどのレスポンスの早さに比べると、どうしても、劣ってしまうように感じます。
以上が、出来れば改善して欲しい点ですが、さほど、そんなに気にならないというのが、正直なところです。
国の留学ローンについてのまとめ
子供の教育費に対しては、個々のご家庭さまざまな考え方があると思います。
ですので、この記事は、あくまでも我が家の場合で、かなり主観が込められていることを、ご承知おき頂ければ幸甚です。
借入に対して、とてもネガティブに捉えられている日本社会ですが、私は、借入はポジティブなものと思っています。
夢を叶えられるツールの1つだと考えています。
ただ、無理が生じていたり、無計画であったりする借入は、断固として、反対ですよ。
借入する際は、月々の返済額の見通しに合わせて、将来設計図を具体的に作成しておくと良いかと思います。
我が家の場合は、次女が大学を卒業するまでの現金の入出金を想定して、その年ごとに、家族それぞれの年齢を記入し作成しています。(かなり、アバウトですが ^^;)
また、子供たちが大学を卒業してから、夫婦それぞれが、60歳まで何年働け、その間に幾ら稼ぎたいかの目標も立てています。
もちろん、それらは、状況に応じて、変動していくものですが、やはり、目安になるものがあるのと無いのとでは借入に対する認識が変わるでしょう。
借入することは、ちょっと怖いですよね。でも、将来の見通しと返済計画を、ちゃんと立てることが出来れば、借入は有難い制度だと実感できます。
繰り返しになりますが、これは、ダメ母MIOの考えなので、人それぞれだと思います。
ですが、もし、お子様の教育資金等でお悩みの場合は、臆せずに「国の教育ローン」などを利用して、我が子が望む教育環境をご用意してあげて下さいね。
ってことで、国の教育ローンの融資も決まったし、あとは、娘が現地で頑張ってくるのみ!
・・・では、ありません。
留学エージェントさんから、伺っている総留学費用に対して、350万円の借入だけでは、到底、間に合いませんよっ。
ほんとうに、保護者って大変ですね (>_<)
そんな訳で、ダメ母MIOは、引き続き、悩みまくりの日々を過ごしながら、今日より明日へむかいます。